クリーニングの歴史

この洗い方は水のかわりに汚れを溶かす洗剤を使って洗います。この方法は1849年フランスで発明されました。仕立屋のジョリー・ボランという人が衣服についた油性のシミがテレピン油で拭き取れるのを発見し、それを利用して考えだした洗い方です。

 こんにち使われている主な洗剤は、石油系洗剤とパークロロエチレンです。この二つを比べてみると、石油系はマイルドでパークロは強力なタイプといえます。これらの洗剤を使う時には合わせてドライクリーニング洗剤用(ソープ)また、そのソープの働きを強め水溶性の汚れを除去するために少量の水が加えられます。

 この洗い方の優れた点は、皮脂などの汚れを効果的に取り除くほか、風合いを守る、型くずれや縮みを防ぐ、色落ちしにくいことなど。すなわち、水に弱い衣服に水の影響をあたえることなく、汚れを落とす方法なのです。

 この洗い方に適した代表的な衣服は、スーツやセーターなど、主にウールやシルクなど水に弱い繊維素材のもの。これらもドライなら原形をそこなうことなく美しく洗い上げることができます。

ドライクリーニング
ランドリー

水洗いの強力なタイプを言います。家庭洗剤とは次の3つの点で大きく違っています。
◇温水を使う(40〜80℃)
◇アルカリ洗剤を使う(汚れの分解・除去力を向上させる)
◇ワッシャーと呼ぶ大きな円筒形の回転式洗濯機を使う。

 このことから、ランドリーは洗浄力が強く、ひどく汚れているものなどに向いています。しかも強い洗い方なのに衣服を傷めません。
白いものはより白く、色柄のものはコントラストがより鮮明になります。また、家庭用洗剤と比べて殺菌効果が大きいことも長所といえます。

 ランドリーの工程には、予洗い、本洗い、すすぎ、脱水、仕上げという基本的な流れの間に、漂白、酸浴、熱風乾燥などの工程が加わります。
この漂白剤による漂白と、アルカリ剤を中和し黄変を防止しる酸浴、
そして高温による乾燥、仕上げには殺菌、消毒効果があるのです。

 この洗い方に適しているものは、ワイシャツ、白衣、シーツなど。
ワイシャツの中にはシルクや染色の弱いものもありますが、
それらはドライクリーニングまたは、ウエットクリーニングするものに仕分けられます。

ウエットクリーニング

これは水洗いのソフトなタイプになります。ふつうならドライクリーニングで処理すべきものを、水溶性の汚れが多い場合などに、ぬるま湯で中性洗剤を用いて洗う方法です。

 ドライクリーニングの対象であるウール製品などを水洗いするのですから、形態変化や色の変化を起こさせない高度な技術が欠かせません。

 本来この方法は、ドライクリーニングしたあとに水に溶性の汚れが残り、部分的なシミ抜き程度ではすまない場合に採られるもの。またドライクリーニングができない衣服で、しかもランドリーのような強い洗い方もできない品物にも応用されています。

 この洗い方に適した代表的な衣服はゴルフウェアやスキーウェアなど。ゴルフウェアは綿素材が多いのですが汗がたくさん付いているうえ、光沢など高級感を損なわないようにするためにはソフトな水洗いが適しているのです。

 近年は、従来ドライの対象であったウール素材のスーツに、このウエットクリーニング可能なタイプが出てきました。

なるほどクリーニングの言葉